ティティシャヤー・ウォンタンノイ
ティティシャヤー・ウォンタンノイ 元奨学生のご紹介
感謝の気持ちをいっぱいこめて、これからはチャンスを与える立場に 
元奨学生のデータ
MS. ティティシャヤー・ウォンタンノイ
元 : ルーイ県EDF奨学生 中学1年‐高校3年(1992‐1997年)
教育レベル:Master Degree (Education) ナレースアン大学
現在: バンコク・ボーディンデーチャー高校教諭

これまでの私の人生
 私はルーイ県チェンカー郡出身です。私の家は畑作をし、また物売りをしていました。父や母は朝暗いうちから働きに出るので、姉と私の二人は幼い頃から、自分の事は自分でちゃんと責任を持つように言われてきました。ごはんの支度のため朝は早く起きなければなりません。それから自転車で3 km離れた小学校まで通いました。そのほかにも、家事に関する多くのことを、母の代わりにこなさなくてはなりませんでした。でもたとえ父や母と一緒にいる時間がどんなに少なくても、ともに我慢するのが家族と信じていました。
母から聞かされたのは「私らのようなものは勉強して賢くなる必要はないけれど、勤勉にね。そしてこの境遇に負けたと思わないこと。私たちにだってみんなと同じように成功することはできるはず。」ですから私は、自分自身のためにもいろんなチャンスに巡り合えるよう一所懸命勉強しました。決して家に心配事を持ち込まないようにしました。
 
 ある日先生が、EDFという団体からの奨学金の候補として私を推薦してくれました。そして私は中学から高校(1992‐1997年)までの奨学金を受けられることになったのです。父と母は、私が休みの日には両親を助けて市場で物売りをしたり、校内の生協で先生のお手伝いをして働いた上に、一所懸命勉強したことで奨学生になれたことをとても喜び、誇りにしてくれました。
 
高校を卒業したあと、私はバンコクのシーナカリンウィロート大学(名門教員養成大学、現在は他の学部も展開)教育学部・数学専攻科で、勉学を続ける機会を得ました。数学教師早期養成プロジェクトの奨学金を受けることになったのです。
ところがバンコクでの物価・生活費はとても高いのです。アルバイトをし、勉強をし、そして節約もしなければいけない、という生活でした。家族の心配を最小限にするため、私はアルバイトとして自分にできることは何でもやりました。ファストフードの店員、保育園でも働き、家庭教師もやりました。


 

私が受けたEDFの奨学金について。
田舎に住む子どもにこのようにチャンスを与えてくださったことに対し、私は深く感謝し、奨学金を出してくださった方に心からありがとうございますと伝えたいです。
EDFからは奨学金提供者に手紙を書くよう勧めを受けました。それでいつも奨学金を送って下さる方に手紙を書きましたが、その方は優しくて毎回お返事を下さり、私が一所懸命勉強できるようにと励まし配慮して下さいました。それに応えようと頑張って大学進学を果たしたのですが、本当に感動する事には、更に学士取得に至るまで、援助をし続けてくださったのです。
卒業して働き始めたら、いつか日本に行ってドナーの方にお会いしたいと思い、私のことを手紙でお知らせし続けました。
でもそのうち、やり取りは途絶えました。今はまた、何とかして連絡を取りたいと思っています。
 
現在私は、バンコクのボーディンデーチャー高校の教諭の職を得て数学を教えています。
子どもの時から夢見ていた、安定した職業に就くことができた私を、ドナーの方にお見せできることになりました。両親はこれを大変誇りにしてくれ、私もよい子どもであることをうれしく思っております。
奨学金提供者である私の「日本のお父さま」、いつの時でも一心に私に対してご支援して下さったお気持ちに、報いることができました。
 昔に比べれば、教師の一家という事で私たち家族の暮らしぶりも向上し、小学校中学校の生徒たちに、私のことが紹介されるようにもなりました。チャンスを掴んでいくことが私たちの社会全体に報いる事にもつながるのです。私も、子どもたちを助けてアドバイスし、チャンスを与えて行くつもりです。
 

 

「チャンスを与えてくださったドナーさんは子どもにその道を示す一筋の光となる」
「チャンス」を得るということ。たとえそれがどんなに小さいものでも、誰でもそれを大きく育むことはできます。しかし時に私たちはそのきっかけを作り出していく人にならねばなりません。
チャンスは、いつも探し求めなければなりませんが、探し求めていれば、またチャンスは向こうからやって来るものでもあります。そしてチャンスが巡ってきたら、しっかり掴んで手放さないようにしなければなりません。とても逃しやすいものなのです。本当によいチャンスというものは、たった一度だけ巡ってくるものだからです。
 
EDFの奨学金制度について申し上げたいのは、遠く離れた田舎の生徒たちに、チャンス創出の手助けをして下さっているという事です。社会の中で良い人間、良い大人になるため、子どもにその道を示す一筋の光となっていると信じています。私たちの社会は発展していき、そしてまたほかの人にもチャンスがつながっていくのです。
私は私の使命と思うものに一所懸命務めてまいります。
そして昔、自分が受けたのと同様に、他の人に対してもチャンスを提供していきたいと思っています。
 
現在、EDFの奨学金を受けている生徒の皆さん、しっかり勉強してくださいね。自分自身のためにも最善の努力をしてください。そしてどのような困難にも負けを認めないで。真剣に取り組んでいれば、必ず成功はやって来ます。それは遠い未来ではありません。
                                                                               
                                                                                                                                  
                                                                                                                                       
 
 
Connect with EDF
594/22 Patio Ratchayothin, Soi Phahonyothin 32, Sena Nikhom 1 Rd.,
Chan Kasem, Chatuchak, Bangkok 10900 THAILAND | +6625799209 to 11
EDFは1994年には財務省から255号の税制優遇措置団体に認可されました。EDFへの寄付の領収書は所得金額から控除され、この分は所得税が課税されません。 © 2011 EDF Thailand