体は不自由でも…心は決して諦めない
「僕は他の子のように歩くことはできないけれど、勉強して、読み書きができるようになりたい。将来、自分の力で生きていき、お母さんに恩返しをするために知識を身につけたい。奨学金は、僕が学校に通い続け、夢を途中で諦めることなく追い続ける為の強力な機会を与えてくれました」
ラチャブリー県に住むガウィン君(通称:ウィン君)は、小学5年生の男の子です。体格は小さく、身体障がいを抱えています。4人兄弟の末っ子で、一番上のお姉さんも彼と同じように障がいを持っています。
ガウィン君は生まれつき体が弱く、骨が非常にもろいため、一度骨折すると完治までに長い時間がかかります。母親は常に彼のそばに寄り添い、病状が重い時にはトイレに行く際も抱きかかえて介助しなければなりません。
幼稚園の頃はまだ歩くことができましたが、小学1年生の時に友だちと遊んでいて転倒し、足を骨折してしまいました。それ以来、彼は歩くことができなくなり、移動には手で体を引きずるようにして進むしかありません。
長期にわたる療養のため、学校を休みがちになることも多く、時にはお姉さんも弟の看病のために学校を休まなければなりませんでした。
ガウィン君の家庭は、両親が離別しているため、母親が唯一の大黒柱です。母親は農村で日雇い労働をして家計を支えていますが、収入は不安定です。それでも母親は、障がいを持つ子どもたちが学校へ通い、教育を受けられるよう必死に働き続けています。
ガウィン君は空いた時間に、体に負担のない範囲で家事を手伝い、熱心に復習や読書に励んでいます。
彼の夢は、シンプルですが深い意味が込められています。それは「中学3年生を卒業すること」です。母親の願いである「読み書きができ、生きていくための知識を身につけること」を叶え、将来は自立して仕事ができるようになりたいと考えています。
2026年度、ガウィン君は再びEDF財団の奨学金に応募しました。
彼にとってこの奨学金は、単なる金銭的な支援だけではありません。「体が不自由であっても、自分の価値を認めてくれる人がいる、社会に居場所がある」ということを証明してくれる「心の支え」なのです。
皆様からのご支援という形での「機会の提供」こそが、一人の子どもがしっかりと未来へ歩み出すための大切な原動力となります。
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