元EDF奨学生のご紹介
「決してこの奨学金を無駄にしてはならないとより一層勉強をする様になりました」
プロフィール
パンロップ ティマー
ブリラム県ノンキ―ピタヤーコム学校在学中（１９９５年―１９９７年）にEDFの奨学生となる
学歴：ナコンラチャシマーラッチャパット大学 人文社会学部タイ語学科卒業（学士）
職歴：元アナウンサー（タイの５チャンネル）現在は、声楽教師
私の家族は、母、姉、私の三人です。父は私が6歳の時に亡くなりました。現在、母は再婚し、姉も結婚してそれぞれの家庭を持っています。私たち家族は、今はそれぞれ別々の県で暮らしており私だけがバンコクに住んでいます。
子ども時代は何回も引っ越しをしました。父は小さい時に亡くなったので母が出稼ぎに行かなくてはならず、祖父母の家に何年も住んだこともありました。家は借家でした。母は大変苦労をしながら細腕一つで姉と私を養育しなければなりませんでした。家計を支え、私たちを学校へ行かせるために母はありとあらゆる職に就きました。祖父母たちも何の社会的地位も持ち合わせておらず食べていくことさえ大変な状況で私たち家族はいつも経済的な問題を抱えていました。
中学生時代
学生の頃はバナナチップス等のお菓子を自分で作り、家の裏庭のマンゴーを学校で友だちに売り副収入を得ていました。他にも賞金がもらえる様々な大会に出場し、賞を頂いたりもしました。そして、ブリラム県のノンキ―ピタヤーコム学校中等部在学中に先生の紹介で貧乏な中でも勉強に一生懸命頑張る子に与えられるEDF奨学金を受けられることになりました。私は、少しでも家族の経済的な負担を減らすことができると思うととてもうれしかったです。頂いた奨学金は、教科書、学用品、学校での昼食代に使わせて頂きました。奨学金を頂いたことで私は、大きな励みを感じ、決してこの奨学金を無駄にしてはならないとより一層勉強をする様になりました。
中学卒業後、私は、大学にも行きたかったので同じ学校の高等部理数科系に進学しました。高校の学費は制服や体操着、教科書、キャンプ等の行事の費用等、中学時代よりもかなり上がりました。私は、タイ語、英語、科学、数学、バトミントン、歌等の様々な大会や競技会の学校代表に選ばれて在学中、百以上の表彰状と盾を頂きました。
その後、私は、ナコンラチャシマーラッチャパット大学、人文社会学部、タイ語学科の学士過程を首席で卒業することができました。卒業後は、タイの５チャンネルやケーブルテレビのアナウンサーとして働きました。その他に高校のタイ語家庭教師、司会、ビデオレクチャーの声の担当等の仕事もしました。現在は、声楽教師を本業とし、副業として数か所の高等教育機関で水彩画も教えています。
過去アナウンサーとして働いたパンロップ
私は、慈悲深く、心の優しい奨学金の支援者の方に心より感謝しています。おかげ様で私は、人生で一番困難だった時期を乗り越え、こうして今、仕事にも恵まれ、社会人に成長することができました。これからも社会で立派に貢献し、自分が子どもの頃に受けた困難を今同じ様に受けている子どもたちと自分が得た素晴らしい物を分かち合い続けることをお約束します。
現在声楽教師として働いているパンロップ
最後に現在のEDFの奨学生の皆さんに伝えたいことがあります。頂いた奨学金を決して無駄にしない様に自分の両親、恩師の皆さんに対しても良い子供良い生徒となれるようしっかりと勉強して社会や国に自分が役立てる様に頑張ってください。
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