ピニット・ミーマン
ピニット・ミーマン 「私には、もう一つ、いつも考えている夢があります。それは、いつか経済的に自立したら、私もドナーとなり、子どもたちに機会を与えたいということです。」
「こんにちは。僕の名前はピニット・ミーマンです。」
EDFの訪問団が私の母校を訪れたのは、私が中学2年生の時でした。緊張のあまり震える声で、私はイサーン(東北タイ)語の自己紹介をしました。日本からのお客さんを迎えて、ドキドキしていたのです。このEDF訪問団の来校は、私がEDFの奨学生として選ばれた後のことでした。当時の私は奨学金の給付が決まり、心から喜んだことを覚えています。
 
その時の私は、この奨学金が、経済的に恵まれない生徒に支給されるということしか知りませんでした。当時、私の家族は、大変貧しい生活を送っていました。というのも、母が障害者だったからです。主に農業で生計を立てていましたが、父1人で家計を支えなければなりませんでした。私は家計を助けるために、学校の授業が終わると、魚を捕ったり森で野菜を探したりして、何とか食費を切り詰めようとしました。つらかったのは、両親から、学校を休んで農作業を手伝ってほしいと言われたことでした。私は、勉強を続けることが本当に難しくなって、よく泣いたものです。
 
そんな中、2003年にEDFの訪問団が来校し、私はドナーにお目にかかる機会を得ました。ドナーとEDF訪問団は、わざわざ私の家に泊めました。

私は、中学2年生から高校3年生までの期間、ドナーから奨学金を援助してもらいました。この奨学金は、私の人生の転機となりました。奨学金は、勉強のために使ったほか、家計の助けともなりました。そして、この奨学金のおかげで、私は大学進学という進路をはっきり意識するようになりました。
 
私は、大学に進学するための方策を模索し、ついに大学入学試験に合格しました。ナコーンラーチャシーマー県にあるスラナリ工科大学工学部の地質技術科石油プログラムで学び、2012年に無事卒業しました。
 
現在、私は同大学大学院の修士課程、地質技術科に在籍し勉強を続けています。私の将来の夢は、ダムや鉱山そしてトンネル、あるいは、石油の探査や生産などのエネルギー関連の大きなプロジェクトに関わるチームの一員として働くことです。このような仕事を通して、国の発展のために貢献したいからです。
 
私には、もう一つ、いつも考えている夢があります。それは、いつか経済的に自立したら、私もドナーとなり、子どもたちに機会を与えたいということです。私がチャンスを与えてもらったように、私も子どもたちに人生を変えるような機会を提供したいのです。重要なのは、教育を受ける機会を子どもたちに与えるということです。
 
最後に、奨学生となっている皆さんに伝えたいことがあります。ドナーとなって下さっている方を忘れてはいけません。このような素晴らしい機会の恩恵を、すべての人が享受しているわけではないのです。奨学生の皆さん、たとえ苦しい人生であったとしても挑戦することを忘れずにいてください。そして、この授かった機会にふさわしい人物になるべく勉強に励んでください。奨学金という人生の転機を与えてもらった先輩からのメッセージです。 



2012年の卒業式
 




中学生の時に家を訪問したドナーと撮った写真






 
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