2024年度奨学金申請した子の話 : ナシハさん
2024年度奨学金申請した子の話 : ナシハさん
ナシハさんは
高校2年生、ナラティワート県
2024年度のEDF教育奨学金南タイ国境3県の暴動による孤児のための奨学金枠の申請者。
 
こんにちは。私は、ナシハ・サハコと申します。現在17才でナラティワート県のトダーミヤ学校の高校二年生です。私は、祖父母と母と一緒に暮らしています。物心ついた頃から母は、一家の大黒柱として子どもたちを学校に通わせるために細腕ひとつで家計を支えてきました。


 
 私は、母が私たち家族が十分に食べられる様にとどんなに大変な仕事でも不平を言わずに耐えながら仕事をしているのをよく知っています。母は、小柄ですし、たぶんとても疲れ大変だと思います。しかし、誰かに文句や弱音を吐いたことは、ありません。だから私は、どんな時も母のことを手伝い、一生懸命に勉強してより高い教育を受けて、職に就き母や家族のことを養いたいです。
 私が父を失ったのはまだ全く物心もつかない頃でした。母によると当時私は、生後2か月でした。その日、銃を持った何人かのグループが家の中に押し入り銃を放ち、母を含めて四人が襲撃されました。母は、右腕を撃たれ腕に棒鋼をはめ込まなくてはならず九日間入院したそうです。あの日は私達家族にとって最悪の日でした。そしてあれ以来、私は、二度と父の顔を見ることがありません。


 
あの日から17年が経ち私は、父親の顔を知らないまま育ちました。父の顔を今も思い出すことはできません。父親に抱かれるという温かい温もりも体験したことがありません。子どもの頃友達がいつも両親とそろって出かけるのを見てとても羨ましかったです。自分もあんな風に父と母といっしょだったらいいのになあと思ったこともありました。でも、あれは子どもだったからそんな風に思ったのでしょう。もう父が私たちのもとに戻って来ることはありません。あの夜起こったことは私たちにとっては本当に不運なことでした。でも、そんな境遇の中でも今の私には、母がいてくれます。母は、両手で温かく私を抱きしめて頬にキスをして私のことをこれまでずっと励まし続けてくれました。

 
最後になりましたが、EDFの教育奨学金を頂けることを願っています。私は、一生懸命に自分のできる限りの高い教育を受けて良き人として社会で役立つ人になることをお約束します。どうぞよろしくお願いします。
 
     
 
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