26歳のシュリスーダ(Srisuda Saengsawang)さんは、サコンナコーン県コークシースパン郡で補助教員をしています。彼女がダルニー奨学金担当者となって1年間が経ちました。子どものころから教師を夢見ていた彼女は、補助教員として生徒と喜びを分かち合う一方で、生徒たちの環境の格差について問題意識を持っています。
子どものころの夢は教師
私は子どものころから、教師になることを夢見ていました。子どもたちが成長し、器用に読み書きができるようになる様子を近くで見ることができるこの仕事がとても好きです。私が教えた子どもたちが、知識を蓄え社会で役立つ人に成長してくれるのが嬉しいです。日常生活の知恵から、学業にいたるまで、自分の持つ知識や経験を子どもたちと共有していきたいです。
国の発展という側面において、教師は重要な役割を担っています。教師が若い人々を教育し、彼らが良い人材となりタイの発展に貢献してもらえるよう努めなくてはなりません。
近年、生徒が抱える問題は「不平等」です。両親と暮らしていない子もいれば、農村部で祖父母と暮らす子どももいます。そのような子どもたちは両親のぬくもりを知らなかったり、両親から教わる機会がなく読み書きができないことがあります。そのような子どもたちはふつうの家庭を持つ友だちと自分を比べて、自身を恥じることがあり、それが学校に行かない理由につながることもあります。
社会の変化やテクノロジーの発展により、学校に通う子どもたちが直面する問題も変化しています。貧しい子どもたちにとって、テクノロジーへのアクセスの有無が不平等の原因となっています。多くの貧しい子どもたちは、学習や知識習得に必要なIT機器を買うことができず、そのような機器を購入できる家庭に育つ子どもと比べてITや教育の機会の不平等を経験しています。
EDFダルニー奨学金と関わって
ダルニー奨学金担当者となったことで、子どもたちへの理解を深めることができました。家庭訪問し、生徒の親と彼らが直面した問題について話すことができました。勉強ができるのに、学習する機会が不足している子どももいて、そのような子には適切な奨学金を探す手伝いをすることもあります。
ダルニー奨学金担当者として子どもたちと関わる中で、感動することがありました。例えば、奨学金が決まったことをある生徒に伝えると、その生徒は喜んで必要な書類をそろえていました。そのような、奨学金のおかげで勉強を継続できると喜ぶ子どもたちを見るととても感動するのです。
特に、ティヤーダ・ホンパという奨学生はとても印象的でした。ティヤーダの両親はとても貧しかったのですが、彼女は大学卒業まで勉強を続けて先生になりたい、地元に戻ってきて教えたいという強い意志を持っていました。彼女の姿は、子どものころ先生を夢見た私自身そのものでした。
ダルニー奨学金は、多くの子どもたちの支えになっています。勉強熱心な子どもたちが、家庭の貧困により多くの教育機会を奪われています。奨学金は、一生懸命学ぶ子どもたちの重要な支えとなります。この支えにより、子どもたちはさらに勉強し、輝かしい将来を掴むことができるのです。
最後に、EDFと支援者の方々に、恵まれない子どもたちに基礎教育を受ける手助けをしてくださったことを感謝いたします。子どもたちが自らの可能性を伸ばし、勉強を続ける機会を与えてくださり、ありがとうございます
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