|
|
|
|
|
|
|
|
| | |
| アドゥン・マートカオさん |
|
|
|
|
|
|
新しい制服を着た瞬間、勉強を頑張ろう・・・ |
|
|
|
|
|
奨学金事業をスタートしてからこの20年間に、EDFはイサーン地方の20万人を超える恵まれない子たちの支援をしてきました。現在、卒業した生徒たちは様々な形で自分の家族と社会のために活躍しています。
アドゥン・マートカオという元奨学生も自分自身でEDF事務局に連絡してきました。自分の現在の人生について報告し、10年前の支援者にお礼を言いたかったからです。
現在の生活について教えて下さい。
今、ヤソートン県家畜事務局の公務員として勤めています。主な仕事は家畜衛生促進事業、特に鳥インフルエンザのコントロール事業です。住んでいるところは事務局に近いので便利です。土日に実家に帰ります。現在、私は26歳で母、兄と私の3人家族です。父は２年前に亡くなりました。兄は寺院や仏教関係の美術家です。
どうしてドナーに会いたくなってEDFに連絡したのですか？
日本で紹介されるイサーン地方の伝統的なロケット（バンファイ）を作る仕事で兄を雇ってくれた人がいました。あいにく兄は病気になっていたので日本へ行けなくなりました。この理由で日本のことを思い出しました。特に私に奨学金を提供して下さった日本人のドナーのことをです。今どこで何をしているのかというドナーの事情を知りたくて、すぐ中学校の時にEDFから届いた書類を必死に探して連絡先をやっと見つけまして。その後すぐにEDFにメールで連絡することにしました。
子ども時代にどういう生活を送っていましたか？
大変でした。勉強だけではなく毎日、親の仕事の手伝いや全ての家事をしており、休みの日にも家を出て、家庭の収入を増大させる日雇いの仕事なら何でも受け入れました。ご飯のない日は友達のランチをわけてもらって食べる日もありました。奨学金に受かったと分かったときは涙が出るくらい喜びました。直ぐに奨学金で制服、通学用かばん、靴を買いました。その時まで新しい制服を持ったことはなかった私は、新しい制服を着た瞬間、とても誇りに思い、これから勉強に頑張ろうと自分に言い聞かせました。奨学金はそのようなものに使っただけでした。余ったお金は高校進学手段のために貯金しました。高校時代でも、成績が良かったのでずっと卒業するまで奨学金をもらっていました。しかし、ブリラム県のラジャパット大学に入るとき、父が肝臓癌で亡くなり、兄が家族の大黒柱になってしまいました。大学の教育費のため、家畜の水牛とかを売るしかありませんでした。
どのようにして今の仕事を得ることができましたか？
農業技術学部獣医学科を卒業しました。卒業した直後から今の仕事をしたわけではありません。バンコクに出稼ぎに出てデパートの会計員をしていました。ある日、インターネット・カフェで新しい仕事を探検しているうちに実家のヤソートン県の家畜事務局に公務員試験の公募があってすぐに実家に帰り、試験を申込んでやっと受かりました。この仕事をできて大変誇りに思っています。卒業した分野と同じような仕事もでき、自分の地域に役立つこともできて嬉しいです。
もし自分のドナーに会えば？
何をすればいいか、何を話せばいいかわからないでしょう。ただ私のことを覚えてくれて手紙の返事を書いて送ってくれただけで言葉が出ないぐらい感激しました。もし本当に会えたら、まずお礼を言いたいです。その時のご支援がなかったら、今ここにある私はいないかもしれません。自分の人生と家族の幸せな生活のために困難を乗り越えられえるドナーの方の思いやり、インスピレーションは非常に貴重なものといつも思っていました。機会があれば、私の故郷のヤソートンに遊びに来てもらいたいです。とても有名なバンファイ祭りを紹介したいなと思っています。
現在の奨学生に何か一言がありますか？
私と同じような奨学生にもっと頑張って勉強してほしいです。生活がどんなに苦しくても乗り越えるまで我慢するようにと励ましたいですね。また、何になりたいか、その夢をしっかり握ってゴールまで目指してほしい。それに、私が今あるのは、そのときのドナーの方の優しさだと思うので、恩返しとしてダルニー基金、子どもたち、地域の発展に貢献していきたいなといつも思っています。
（2007年12月、ダルニーニュース13号より）
|
| |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
