障がい児向け奨学金について
当財団は地方の貧困家庭の子供に対する奨学金の活動を1987年に開始しました。その活動をしていく中、身体の一部に障がいを負っているものの、意思疎通や学習が可能な子供に数多く出会いました。多くの保護者はどう対応すべきか分からず、地域社会からは疎外され、子供は家の中に閉じ込められ、学習の機会を与えられず、健常者の様な社会参加ができず、心身の発達の機会を失っています。
そのような状況に対して、「障がい児の通常学校への通学促進のための奨学金活動」を開始して、学習能力のある障がい児に奨学金を支給しています。健常者の子供達と一緒に通常学校で学習する事により、身体・知能の発達や社会性の習得と共に、身の回りの事柄に自ら対応することを進めています。
障がい児向け奨学金事業の内容
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1年間の奨学金 一人当り5,000バーツ/年
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身体障がいもしくは知的障がいがあるが、意思疎通や学習が可能である
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父、母あるいは保護者が貧困であるが、子供を小中学校の通常学校に通学させる意思がある
紛争により親を失ったタイ深南部3県の孤児への奨学金支援
タイ深南部3県の紛争の背景
タイ深南部3県における紛争問題は、複数の武装組織とタイ政府との対立から発生しています。武装組織は暴力によりタイからの分離独立を求めています。2004年1月から2020年6月までに20,641件の事件が発生し、警察、軍人、教師、地方指導者の犠牲者は7,144名となっています。2014年以後の事件発生は、減少している時期もありますが、現在も紛争は依然として続いています。この紛争は多くの住民の生命や財産を奪うとともに、その地域の住民全体の日常生活に大きな影響を与えています。治安への不安からビジネスを停滞させ、仕事の機会が激減し、失業や貧困の問題が発生しています。
深南部3県の孤児への奨学金事業
2004年以降に2万件以上の事件が発生し、子供たちの教育にも深刻な影響を与えています。学校が放火・破壊されたり、教師や学校関係者が襲撃されたり、多くの子供達が一家の大黒柱である父母や保護者を亡くして孤児になってしまいました。
EDFでは2006年より「Under The Same Sky(同じ空の下で)奨学金支援活動」を開始して、深南部3県の紛争で父母や保護者を失った子供達へ奨学金を支給しております。被害を受け保護者を失った子供の心を慰め、元気づけ、子供が健やかな心で精一杯、勉学に励むことが出来るようになることを目的としております。2006年の支給開始から現在までに3県の小学生から大学生までの孤児と被害を受けた子供達約1万人に支給しました。
深南部3県の孤児向けの奨学金事業の内容
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1年間の奨学金 一人当り5,000バーツ/年
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深南部3県(パタニー、ヤラー、ナラーティワート)で小学校から大学までのいずれかの課程に就学している
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父、母あるいは保護者が亡くなっている
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