“もし自転車があったら通学に 父の手助けに 作物を売りに行く時に…いいのになあ”
アムナートチャルーン県バーンノンドゥ中学校2年生セーンダーウ・ブンシリ―
そんな道は雨が降ると、とても歩きにくいです。そして学校の下駄箱は泥が跳ねてグチャグチャになった生徒の靴で、もういっぱいです。でも気持ち悪いヘビやムカデなどがいると思うと、靴を外に出しっ放しにはできません。
もし自転車があれば、学校に通うのにも父の農作業を手伝うのにも、植えて育てた野菜を売りに行くのにも、いいのになあと思うのです」
上記の内容は、アムナートチャルーン県バーンノンドゥ中学校2年生セーンダーウ・ブンシリ―、(ニックネームはダーウ)14歳から当財団に彼女自身と家族の事を知らせて来た手紙の一部です。
ダーウは両親と姉二人とで暮らしています。お父さんは片腕の障害者ですが、雇ってくれる所ならどこでも働きに出ます。しかしその障害のため通常人と同等にはいきません。日当がたった200バーツということもよくあります(法律による最低賃金は300バーツ)。
お母さんは村で家事や子守りをしたり親戚の田植えや稲刈りといった農作業の手伝いをしたりですが、このような地域の人たちから貰える報酬はほんの微々たるものです。お父さんが貰ってくる賃金が少なすぎる時は、兄弟から生活費をちょっと借りるということが重なっていきます。
勉強など自分自身のことをちゃんとするのはもちろん、ダーウは家事全般:アヒルやニワトリの世話、家庭菜園の水やり、ご飯の支度などといったお母さんの様々な仕事を手伝い、また畑の野菜が余分にできた時は近くに売りに出掛けます。 そればかりでなく学校の休みには田んぼに行って片腕のお父さんが持てない重い道具類を代わりに運んだりしなければなりません。14歳の女の子には無理なように思える力仕事です。 でもダーウはこんな環境に決して不平不満を言いません。自分のできる範囲で両親の重荷を分担したいと考えているからです。
EDFは バーンノンドゥ中学校の当財団担当教諭カルナー・チュムチャン先生にインタビューしました。ダーウについて先生が言うには「ダーウの家庭訪問をしたことがありますが、家といっても、以前は農機具置き場だった田んぼの中の本当に小さな掘立小屋なのです。ダーウの家族にとっては他に住むところもないので、親族が田んぼの世話もするとの交換条件で住まわせてもらっているのですが、当然電気も水道も通っていません。家へ出入りする通路は細いあぜ道で、夜間には真っ暗で殆ど何も見えなくなります」。
先生はさらに話してくれました。「こんなに困難な家の状況にあっても、ダーウはそのことでひがんだり劣等感を見せたりしたことがありません。却って熱心に勉強し成績においても良い結果を出し、最新のデータでは「優」となっています。(彼女の全教科平均得点=3.83/最高は4.00)
そればかりかいつもクラスメートの勉強も助け、教師の手伝いもしてくれます。彼女の両親もダーウがいい教育を受けるということを心から応援しています。ダーウは英語の勉強が好きです。外国の言葉を知りたい学びたいと思い、将来は英語の先生になりたいそうです」
EDFは教育支援プレゼントプロジェクトを2017年11月1日から2018年1月31日まで展開します。EDF 奨学金ドナーの皆さまには支援する生徒へプレゼントをお送りいただけます。或いは現在ドナーではなくてもどなたでも、この話のようなEDFの奨学生に贈り物をして頂くことができます。このようにしてプレゼントを受け取った生徒たちは、学校生活においてさまざまに役立てて使います。その上、プレゼントを貰うということは彼らにやる気を起こさせ、よりよい将来のためにも卒業するまで頑張ろうという目標を持たせます。EDFは、皆々さまからのご支援を切に願っております。
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