バーン・ペーンプワイ中学校の1年生のティーラパン・グルークビブンチャイ
バンク(本名ティーラパン・グルークビブンチャイ)は、13歳の男の子で、ブリラム県ナーンローン郡にある、バーン・ペーンプワイ中学校の1年生です。両親は、5年前に離婚しています。現在バンクは、母親と弟と一緒に、叔父の家で暮らしています。母親は、夕方、村の市場でご飯やおかずを売って、生計を立てています。この仕事から得る収入は、一日当たりおよそ250バーツです。それを、バンクと弟が学校へ行く費用に充てたり、家計の足しにしたりしていますが、その他にも販売する料理の食材を仕入れるための資金としても、使っています。
バンク君と52歳の母親
以前バンクは、幼稚園の年少組から小学校6年生まで、近所の学校へ通っていました。そこは、家から15分程度の距離でしたが、バンクの家庭は、経済的にかなり貧しいですし、その学校は小学校6学年までしかなかったので、バーン・ペーンプワイ中学校に転校することにしました。なぜなら、バーン・ペーンプワイ中学校は、中学3年までありましたし、学費の追加分が、近所のその学校より少なかったからです。でも、その代わりに、学校までの距離が遠くなってしまいました。バンクは、毎日約5キロの道を歩いて、学校から帰って来なければなりません。朝、母親に仕事があって、学校へ送ってもらえない日は、往復10キロもの距離を歩かなければなりません。その上雨の季節は、道路が泥道になり、水溜りだらけになってしまいます。レインコートは古くて、着ていても全然雨を防がないので、体調を崩すことがよくあります。
母親と弟と一緒に住んでいる叔父の家
"バンクは、時々遅刻して来ます。特に雨の日が多いです。でも、家が遠いことがわかって、遅刻の理由が理解できました。それで今は、彼を気に掛けて見るようにしています。" と担任の先生は、話してくれました。
バンクは、自転車を持つことが夢です。自転車があったら、それに乗って通学することもできるし、週末には、市場でおかずを売る母親のために、その荷物を運んであげることもできるからです。今、普通の自転車は、1,500から2,000バーツという値段ですが、それでもバンクの家族には、手が届く金額ではありません。みんなの生活費が掛かりますし、必要なものを買わなければなりません。だから、たった1台の自転車でも、バンクにとっては夢でしかないのです。
バンクは、大きくなったら、警察官になりたいと思っています。安定した職業に見えるので、母親や弟を養えると思うからです。それに、もっと言えば、国民の安全を守ることができるし、国家の平和にも貢献できるからです。
[EDFからの追加報告]
*** 素晴らしいニュースです!現在バンク君は、学生指定なしのある支援者から自転車をいただくことが決定しました。今年の12月末までに自転車に乗れるようになるでしょう。まだダルニー奨学金の支援者になっていない方でも、このキャンペーンにご参加いただけます。EDFが適当な奨学生を選考の上、プレゼントをお届けます。プレゼントの注文期間は2017年1月31日までです。よろしくお願いいたします。
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