富山の「人情」を、タイの子どもたちの未来へ バンコク富山県人会が続けて13年──EDF財団への奨学金支援
富山の「人情」を、タイの子どもたちの未来へ バンコク富山県人会が続けて13年──EDF財団への奨学金支援 バンコクで暮らす日本人にとって、同郷の仲間とのつながりは心強い支えです。その絆を、タイの子どもたちの教育支援につなげている団体があります。バンコク富山県人会(Bangkok Toyama Kenjinkai)です。
同会は、タイの貧困家庭の子どもたちを支援するEDF財団(The Education for Development Foundation)への奨学金寄付を続けており、今年で13年目を迎えました。これまでに奨学金を届けた生徒は、累計75名にのぼります。
 
■ バンコク富山県人会とは
 バンコク富山県人会は、バンコクで暮らす富山県ゆかりの方々の集まりです。発足は約25年前と伝えられており、同郷の日系企業駐在員同士が情報交換をする食事会から始まりました。
 現在、メールの受発信リストに登録されている会員は約230名。2か月に1回の懇親会と、3か月に1回のゴルフコンペを開催し、世代や勤務先を超えて交流を深めています。
 会員の方は、富山とタイに通じるものを感じているそうです。「食事が美味しく、人情に厚いところ」が共通点だといいます。
 
■ 懇親会やゴルフコンペの場で、支援の輪を広げる
 同会のEDFへの支援は、タイで何か社会貢献をしたいという当時の会員の思いから始まりました。会員がタイ人スタッフに相談して探してもらい、EDF財団にたどり着いたといいます。
 寄付を募るのは、会員が顔を合わせる懇親会やゴルフコンペの場です。そのたびに趣旨を説明し、カンパへの協力をお願いしています。金額は1人1回につき最低100バーツ。無理のない額を毎回続けてきたことが、会の習慣として定着する力になりました。
 

 
■ 奨学金から「顔の見える支援」へ
 同会の支援は、寄付活動だけにとどまりません。2025年12月、年次活動として、日本人・タイ人メンバー4名がタイ東北地方ブリーラム県のサトゥーク(Satuek)校を訪問し、同校で学ぶ奨学生6名と交流しました。
 学校の会議室で学校紹介を受けたあと、奨学生と対話。ロボット学習センターや、日本語の教室も見学しました。さらに2名の奨学生の自宅を訪ね、保護者や担任の先生を交えて、家庭での暮らしや日々の様子に理解を深めました。訪問の最後には、代表から生徒全員へ、希望の多かったスポーツ用品を記念品として贈りました。
 
■ 【インタビュー】訪問で見えたこと、支援を続ける理由
 
◆ 現地訪問を通じて
Q. 訪問前の東北地方のイメージと、実際に訪れて感じたことを教えてください。
 現地は想像以上に産業が少なく、子どもたちが想像以上に厳しい生活環境で暮らしている現実を目の当たりにして、胸が痛みました。
Q. 特に印象に残っていることは何ですか。
 厳しい環境の中でも、澄んだ目で笑う子どもたちの姿に驚かされました。
Q. 訪問後、会員の皆様にはどのように伝えていますか。
 現地を訪問したあとの行事で、毎回会員の皆さんに報告しています。
◆ 支援を続けて
Q. 教育支援について、会員の皆様はどのように考えていますか。
 意味のあることだと理解していただいています。
Q. 支援を続ける中で、県人会に変化はありましたか。
 自分たちの目の届かないところに、恵まれない人たちがたくさんいるのだという認識が生まれました。
Q. 長年にわたって支援を続けてこられた理由は何でしょうか。
 1人1回最低100バーツのカンパを毎回の集まりで続け、現地訪問の様子を報告してきたことで、支援が会の習慣として定着しました。
Q. 子どもたちからの報告書や写真が届いたとき、会員の皆様はどのような反応をされますか。
 自分たちのささやかな寄付で喜んでもらい、感謝されるのは、気持ちの良いことです。
Q. 奨学金支援には、どのような意味があると思いますか。
 貧しい子どもたちに教育の機会を与え、将来への夢を持たせることができると思います。
Q. 奨学金を受けた子どもたちに、どのようなことを期待しますか。
 幸せになってほしいと願っています。
 
◆ これから
Q. 今後、県人会として教育支援をどのように続けていきたいですか。
 これまで通り、継続して取り組んでいきたいです。
Q. EDFに期待することはありますか。
 EDFの活動を、広くPRしてください。
Q. 奨学金支援を考えている団体や個人へのメッセージをお願いします。
 ぜひ、多くの団体や個人の皆様に、活動へ参加していただきたいと思います。
Q. 最後に、タイの子どもたちとEDFへ一言お願いします。
 子どもたちには、向上心を捨てず、前向きに生きてほしいと伝えたいです。
 

 
■ 国境を越える「人と人のつながり」
 学校や家庭を訪ね、子どもたちの実情を自分の目で確かめる。ささやかな寄付を積み重ね、その様子を仲間に伝える。バンコク富山県人会の13年間は、こうした地道な営みの積み重ねでした。
 奨学金を受けた子どもたちは、支援者の顔や出身地を知ることで、日本という国や文化に親しみを持ちます。将来の日タイ友好を支える人材に育っていくことが期待されます。寄付が、国境を越えた人と人とのつながりを生み出しているのです。
 
■ あなたの県人会・団体でも、はじめてみませんか
 バンコク富山県人会は、「多くの団体、個人が活動に参加してほしい」と呼びかけています。1回100バーツから始められる、無理のない支援の形です。EDF財団への奨学金支援にご関心のある県人会・団体・個人の皆様は、ぜひお気軽にご連絡ください。
 
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