シワポン・ヌアンチョンプー(ファー)
シワポン・ヌアンチョンプー(ファー) 祖母と2人暮らし、夢は科学の先生
シワポン・ヌアンチョンプー(名称:ファー)ちゃんは現在16歳、ナコンラチャシーマー県のバーン・ワンサイ学校に通う中学3年生です。ファーちゃんは、2009年からEDFの中学部奨学金を受け取っています。

ファーちゃんは、中学1年で初めて奨学金を受け取ったときの気持ちを次のように話してくれました。「あの日、先生に職員室に来るように言われ、そこで中学卒業まで奨学金を受け取れる校内3人のうちの1人に選ばれたことを聞きました。その日の夕方は、急いで家に帰り、祖母に報告をして抱き合いました。祖母は、うれしくて涙が止まらないほどでした。それ以降、私に奨学金を下さった方の恩に応えるためにも、精一杯学業に励み、よい子でいなければならないと思い続けています。」そして、彼女の言ったとおり、現在の成績は総合平均3.73を修めています。また、一番好きな科目は科学です。成績が非常に優秀なだけでなく、優れたバレーボール選手ですし、人を思いやる気持ちや常に人助けをする性格もあって、友達からも愛される存在です。

現在、ファーちゃんは74歳の祖母と2人だけで暮らしています。ファーちゃんの両親は、ファーちゃんが小学2年のころ離婚し、それ以降父親からは一切連絡がありません。母親は再婚し、新しい夫とコンケン県に引っ越しました。ごくたまに祖母宛に送金があり、金額は毎回約1,000バーツ程度です。

ファーちゃんの祖母は、74歳という高齢ながら、体は非常に健康で、耕作する土地がないので、日雇いの仕事をして生計を立てています。収入は、仕事の厳しさによって異なりますが、大体1日当たり100~150バーツです。しかし、日雇いの仕事は毎日あるとは限らないので、生活費のために貯金に努めなければなりません。ファーちゃんも、土日は、各家庭に出向き洗濯やアイロン掛けの仕事を請け負っていますが、収入は良かったり悪かったりと日によってまちまちです。その収入の一部を学業に関連する支出にあて、残りを祖母に渡しています。現在、祖母は学校に行くときに毎日25バーツをファーちゃんに渡しています。そのうち、交通費として10バーツかかりますので、残りが昼食代となります。

夢や進学についてファーちゃんは次のように話していました。「私は、将来は科学を教える先生になりたいです。科学が好きですし、面白い科目だと思います。そして、日常生活に活かせるような様々な知識を得られる科目だと思うからです。先生になるには大学を卒業しなければなりませんので、高校へ進学できるよう頑張っています。祖母も私を高校へと進学させたがっていますが、高校は離れた市内にあり、旅費や生活費、塾代、その他いろいろと出費がかさみますので、それを賄える収入もなく、高校への進学は大変悲観的な状況です。」

現在、ファーちゃんと同じように、田舎には貧しくても才能に恵まれ、好成績を修めている子どもたちがたくさんいます。しかし、都会から遠く離れた田舎に住んでいるため、都会の子どもたちに比べ教育の機会に恵まれないのです。彼らから学習の機会を奪っているのが「貧しさ」だけだったとしたら、これほど悲しいことはありません。
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