元奨学生「ニッタヤー先生」の紹介
元奨学生「ニッタヤー先生」の紹介
名前:ニッタヤー マンユーン、ニックネーム:テーン
本籍:スリン県
学歴:スリン教育大学教育学部英語学科卒業
現在の職業:スリン県のバーン・チャンロム学校教諭(公務員)
2003年から2005年までスリン県のテンミーミットプラチャー学校在籍時にEDFの教育奨学金を受けていました。
 
私は子供の頃、両親が県外へ出稼ぎに出ていたため兄と一緒に父方の祖父母のもとで暮らしていました。小さい頃から自分のことは自分でやる、家族はお互い助け合うと教え込まれてきました。祖父は、農夫で祖母は、青果市場で野菜や果物を売っていました。
土曜日、日曜日そして平日学校から戻ると私は、決まって祖父の田んぼや畑の手伝い、あるいは祖母がスリンの街の青果市場で売るための野菜や果物の仕入れの手伝いをしていました。当時の私のおやつはパン屋さんで安く売られていたパン屑で祖母が孫娘にいつも買ってきてくれた定番のおやつでした。
小学校高学年の時に祖父母が他界して両親は、スリン県に戻り仕事を探しましたが、家族の問題が生じ両親は離婚しそれぞれ新しい家族を持つことになりました。そして兄と私二人は、取り残されました。母は、私達兄妹のために毎月できる限りの仕送りをしてくれました。
兄は中学を卒業すると仕事に就くためにスパンブリ県にいる母のもとへ行きました。当時、私は、中学二年生だったので一人でスリン県に残り学校に通いました。長期の学期休みの時だけアルバイトをするために母の所へ行き、学期が始まるとまたスリン県に戻って学校へ通うという生活を中学卒業まで続けました。
 


当時の私の暮らしはかなり苦しく辛いものでした。特に中学時代は自分の人生はどん底で苦難ばかり、何回も学校を辞めてしまおうと思いました。しかし、そんな時私は、学校の先生方やEDFの支援を受けられるチャンスに恵まれました。今でも教育奨学金やとても親切な里親の方からたくさんの学用品が入った大きな箱が送られて来たことを覚えています。その時に頂いた人魚の絵の表紙の白いノートは特に印象に残っています。そのノートにはとても感動しました。箱の中には自分一人ではとても使いきれないくらいの学用品からタイ語、英語の辞書に至るまで入っていて、友達にも分けて一緒に使いました。学用品以外にも私の生活と教育を支えてくれる奨学金も支援して頂き、経済的な負担を和らげてくれました。これらは私にとって大きな励みで高等教育を受けて、安定した良い仕事に就き、未来ある人生を切り開きたいという私の夢を強く後押ししてくれました。そしてEDFの奨学金のおかげで無事に高校を卒業することができました。
EDFの教育奨学金は恵まれない貧しい子供達に支給されており教育を受ける機会、より安定した良い人生、また少しでも貧しい子供達やその家族の経済的負担を減らすためにたいへん貢献していると言えます。EDFの教育奨学金は子供達が教育を受けられる基礎を作り、勉強が継続できる様に常に応援してくれます。これらの支援が本当に助けが必要とされている子供達に注がれた時EDFの教育奨学金は、最高の実を結びます。


 
私は、テンミーミットプラチャー学校の高等部を卒業後、教師になる道を選択し、スリン教育大学英語学科へ進学しました。できる限り勉強に励み、家族の負担を減らすために勉学と同時にアルバイトもしていました。デパートの掃除夫、田植え稲刈り、工員、店員、森の中で植物狩りをして売ったりと様々なアルバイトを経験しました。そして平均偏差値3.50(最高偏差値4)という成績で英語学科を卒業することができ、その後すぐにスリン県のバーンコークプラサート学校の障害がある子供達のための保母としての職に就くことができました。
職に就けたものの私は、本命の公立の本教諭になるための教員試験に合格しなけらばならないという強いプレッシャーがありました。その頃、両親はよく体調を崩し、母は乳がん、父は尿路結石の手術を受けなければならず尚更公務員になり両親を救わなければというプレッシャーがありましたが、2016年に無事に念願の教員試験に合格して教師、公務員になることができました。これは私の人生の中で一番大きな成功の一歩と言っても過言ではありません。
公務員になり一年後、私は、家を建て、両親がそれぞれの新しい家族と別れた後に父、母、兄を呼び寄せ再び同じ家でいっしょに暮らせるようになりました。両親は今は夫と妻という間柄ではありませんが、それでも私は家族といっしょに暮せて幸せです。そしてついに自分の夢を果たすことができとても誇りに思っています。
 

 
これまでの私を振り返ってみると、もし、里親の方、EDF、学校の先生方のご支援がなかったら私は、自分の貧しい境遇や様々な問題を克服することもできずに勉強の機会を得ることはとてもありませんでした。
今、里親の方とEDFにお伝えしたい言葉は、『どうもありがとうございます』です。この言葉だけでは到底足りませんが、常に心から感謝しています。路頭に迷いこれからどの様にどの方向へ進めばいいのか全くわからなかった十四歳の私を支援して進むべき道へと導き背中を押してくださいました。そして私は当時の問題や障害に向かっていくことができました。このご恩を私は、物や金銭でお返しすることはできないと思いますが、こうして私が受けたご恩とご支援を他の人に返していきます。私が受けたご恩と同じ様に私と同じ境遇の学生達を見捨てることはありません。どうぞこれからも見守っていてください。
 

今、EDFの教育奨学金の支援を受けている後輩の皆にも伝えたいことがあります。どうか今受けている奨学金をよく考え、計画的にかつ最大限に有効に使ってください。これから奨学金を受ける後輩達のためにもしっかりと勉学に励んで奨学生としての模範になってください。そして今自分が誰のおかげで勉強を続けることができるのかをいつもしっかりと頭に刻み、感謝の気持ちを忘れないでください。そして今後、自分達が今受けている恩を他の人にも与えられる存在になれますように。。。
 みんな一人一人のことを応援しています。どうぞがんばってくださいね。

 

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